散歩道で見つけた、ラベルのない黒い確信
高校一年生の時、当時実家で飼っていた犬の散歩道に一本のビデオテープが落ちていました。そのビデオテープは黒塗りでラベルもなく、一見すると内容はわからないはずなのに(これはアダルトなやつだ!)と勝手に確信して心で叫んだ私は胸が躍りました。
その場で拾うことも考えましたが、家には家族もいるし、散歩の片手間では持て余すと思い、興奮そのままにビデオは取らずに帰宅。その日のうちに時間をおき、再度、発見現場に向かいテープを回収することに成功しました。
障子2面の心理戦と、ダブルタイトルマッチの到来
自宅にあるビデオデッキはリビングに一つだけ。リビングの壁4面の内、2面が障子張りの間取りでは、いつ家族が突入してくるかわからない状況で、おちおち鑑賞することもできません。おまけに、私の家族は割と仲良し。2人の妹も私を慕ってくれているし、両親とも反抗期知らずの距離感。
私は家族全員が出払う機会を待つことにしました。 ビデオは自分の机の右最下(秘密の宝庫)に沈めておくこと数日。両親の買い物と、妹2人でのお出かけという奇跡のダブルタイトルマッチの実現により、ついにその日が訪れました。
ワクワクとドキドキが止まらない気持ちを楽しみつつ、デッキにビデオを挿入。 テレビに映し出されたのは、、、ビンゴ! 中身は見事にアダルト仕様!
あの散歩の日、ひと目見て中身を見抜いた直感の鋭さは、ゾーンに入ったスポーツ選手の如く。思春期真っ只中で四六時中悶々としていた私の感度はエロスにのみMAX値を弾き出していました。
その時初めてアダルト動画を鑑賞。
「あなたならどうする?最高だった」(ジョニー・ジョースター) 初めて目にしたその世界。 控えめに言って、最高でした。
ちなみに、動画の女優は飯島愛でした。
それは、12年後に童貞を卒業した時の感動を超える衝撃。 今だから冷静に客観的にそう思えます。
限界状況の「リスク管理」が、今の仕事と深夜のルーティンに繋がっている
今、冷静にこの過去を振り返ってみると、可笑しくもあり、同時に一つの事実に気づかされます。
「家族に見つかってはならない」という極限の緊張感の中で、周囲の状況を冷静に分析し、数日間にわたって秘密の宝庫へタスク(ビデオ)を寝かせ、家族の行動パターンから『ダブルタイトルマッチ』という完璧なチャンス(リソース)を導き出す。これらは、現在の私が管理職として日々向き合っている「合理的リスク管理」や「計画性」の、原点のような体験だったのかもしれません。
そして何より、あの頃「障子の向こうの気配」に怯えながらテレビにしがみついていた少年は、長い年月を経て3人の子供の父親となり、いまや深夜、完璧なノイズキャンセリングヘッドホンとハイスペックなPC環境という、誰にも邪魔されない本物の「聖域」を手に入れました。
このブログを書き、自分の状況と考えをここに吐き出して脳のメモリを完全にクリアにする時間。そして、その後に訪れるお気に入りの動画やゲームの世界への没入。あの高校生の時に味わった「誰にも邪魔されない特別な空間への渇望」があるからこそ、私は今のストイックな深夜のルーティンを愛し、翌朝からまた全力で、家族のための「安全基地」であり続けられるのです。

